第7章 グレイ scene5
「じゃあ…ふたりとも、一緒にお風呂入ろ?」
俺の腹にごしごし額をこすりつけながら、この姫は大胆な事を言う。
「えっ…」
「俺の身体、隅々まで洗って…?」
ごくり、雅紀の喉が鳴ったのが聞こえた。
「いっ…いいのっ!?」
「こら、雅紀っ!」
「あ…」
大野さんは…そんなつもりないんだから…
期待しちゃ、ダメだ。
目で制すると、雅紀はちょっとだけ冷静になった。
「おーちゃん、子供じゃないんだから…」
なんとか持ち直したと思ったのに…
姫は爆弾を落とした。
「上手に洗えた方に、ご褒美…あげる…」
ふにゃふにゃしてる大野さんの服を、脱衣所で二人がかりで脱がせた。
「…バンザイして?」
「ああ~い…」
大人しくバンザイするから、容易に服を脱がせてしまった。
いいんだろうか…いいのかなあ…
「しゃむい…」
「はっ…早く、入ろう?」
浴室スチーマーで程よく温まった室内に入ると、大野さんは椅子に座った。
「はい、洗って?」
素っ裸に腰にタオルを巻いた俺達は、思わず唾を飲み込んだ。
いやいや…この人、わかってないもん…
だから、期待しちゃ…だめなんだ。
「おし!じゃあ、隅々まで綺麗にするよ!」
雅紀がシャワーノズルからお湯を出した。
白い湯気が、浴室を満たしていく。