第7章 グレイ scene5
雅紀の大野さんへの気持ちに気づいたのは、だいぶ若い時だった。
そして、同時に俺自身が気づいていなかった俺の大野さんへの気持ちに気づいた。
ダブルで衝撃を受けた俺は、なぜか雅紀とデキてしまった。
今でもこれは謎で…なんでこんなことになったかはわからない。
わからないけど…今となっては、助かってる。
いつでも雅紀がそばに居てくれて、そして二人なら…
勇気を出して、大野さんの傍に居られる。
今、俺達はしあわせなんだと思う。
「ほんと、罪づくりな姫だよ…」
「ふにゅ…」
むにゃむにゃ言ってるほっぺを突くと、姫は眠りながら微笑んだ。
「お風呂入ったよー」
雅紀が腕まくりを解きながらリビングに入ってきた。
「あれ、おーちゃんまだ寝てるの」
「姫はまだ夢の中だよ」
ふふっと笑う雅紀が大野さんに手を伸ばす。
「おーちゃん、起きて。お風呂、入っちゃおうよ」
「んー…むにゅ…」
「ちょっとお…いくら潤の膝枕が気持ちいいからって、寝過ぎだよ?夜寝られなくなるよ?」
「やーら…眠い…」
大野さんはぎゅっと身体を丸めて俺に抱きついてきた。
胴が温かい。
ふんわりと香ってくる大野さんの匂いに、しあわせなきもちが倍に膨らんだ。