第7章 グレイ scene5
邪魔をするつもりはなかった。
だって和也は仕事なんだし…
本当は無理に来なくったって、3日もすれば帰ってくるし…
でも、お侍さんをやるって聞いて、どうしてもひと目見たくなったんだ。
マネージャーにこっそり作ってもらった入構証で中に入ってきたけど、スタジオにこっそり入るっていうのは、なかなか難しい。
あの重いドアを二枚も三枚も開けて入らないといけないんだから…
休憩時間にでもなれば…色んな人に紛れて入れるんだけどなあ…
昼間は目立つから、夜に入ってから太秦に入った。
それまでは祇園とかをブラブラして京都を満喫した。
ここまでは予定通りだったけど、撮影所の中ではやっぱり予定通りいかないなあ。
「寒い…マジ寒い…」
外の喫煙所で、ブルブル震えながら待ってるとやっとスタジオから人がハケてきた。
休憩時間に入ったんだろう。
キャップを深く被ると、こっそりと中に入った。
顔見知りのスタッフさんが居て、俺に気づいて話しかけてきた。
実はこっそり二宮のCM撮影を取材してるんです。
ファンクラブの会報の企画で…
なんて事前に用意してた言い訳をいうと、あっさりとここのスタッフ証を俺にくれた。
これで堂々と中にいられるぞ。