第6章 ショコラ scene4
「そんなことなさらないでください」
「いえいえ…今回は息子さんにまで…っていうか、先生教えて下さいよ…もう…」
「あれ。言ってませんでしたかな?」
「聞いてませんよお…」
息子さんの名前は幸雄さんと言った。
一人息子さんなんだそうだ。
改めて自己紹介をされて、皆で頭をまたさげあった。
「今は東北のほうの大学に通っていましてね。そのまま院にも進んでいるものですから、東京にはたまにしか帰ってこないんですよ」
「そうなんですかあ…」
行長幸雄さんは、はにかんで笑った。
「幸雄は大学ではESPの研究をしてるんです」
「いーえすぴー?」
「超感覚的知覚…所謂、超能力のことです」
「ははぁ…」
「…もしかして、幸雄さんって超能力あるの?」
智くんが興味深々だ。
「いいえ…私には声が聞こえるだけです」
「え?声?」
「魂の声が非常によく聞こえるんです。だから…そういう分野に興味を持ったというか…」
だから将来的には跡は継がないで、そっちの研究者になっていくのだそうだ。
そんなことを語る行長ご夫妻は、にこにこしていた。
今回はまだ大学が休みで、たまたま帰省していたところだったということだ。
悪いことをしてしまった…