第6章 ショコラ scene4
極限まで弱った身体では、どうすることもできないんだろう。
だから、猫鬼は他の入れ物を探していたんだ。
「何言ってんだよ…潤…」
「俺なんか…要らない…要らない…」
「違うって言ってんだろ!潤っ…」
後ろから引きずるような足音が聞こえたかと思うと、行長先生が倒れ込むように俺の足元に崩れ落ちてきた。
その体を、奥様がしっかりと支えた。
おじさんがそれを見て、俺を庇うように横に立った。
「白…お願いや…出てきて…?」
震えている。
「一人にせんで…?お願いや…」
寂しい…寂しい寂しい寂しい…
何かが頭のなかに流れ込んでくる
これは、潤の声…?
それとも純一郎さんの声…?
頭が割れるように痛い
「潤…寂しいのか…?」
ガタガタ震えながら、自分の身体を抱きかかえるようにして潤は蹲っている。
「潤…なんで…?なんでそんなに…」
ひとり…
俺はひとり…
「潤っ…」
孤独なのか…?
潤が取り込まれてしまったのは…
潤の孤独のせいなのか
「なんでだよ…潤っ…」
なんでそんなこと思うんだ
「おおちゃんっ…だめっ…」
雅紀の叫ぶ声が後ろから聞こえたかと思ったら、智くんが俺の横を通り過ぎた。
「えっ…智くんっ!?」