第6章 ショコラ scene4
「あ…あのっ…!術者は下女のおみちって子です!」
おばさんとおじさんは驚いて俺を振り返った。
「間違いありません、俺、記憶に触れました!」
「わかりました…」
おばさんは答えると潤の方にキッと向き直った。
おじさんはゆっくりと潤のいる方向に歩きだす。
潤の足元には意識を失って倒れている智くんと、それを庇うように覆いかぶさるニノが居た
俺が見ても、これはまずい状況だと理解した。
若い男性…行長先生の息子さん…?は、雅紀と奥様を後ろ手に庇うように立った。
「櫻井さんも…そこを離れないように…」
「はい…」
おばさんは行長先生の肩をしっかり抱いている。
おじさんは少しずつ、潤との間合いを詰めている。
口からよだれを垂れ流して、目は血走り…
なにか唸り声のようなものを発して立っている。
その血走った目は、智くんをまっすぐに捉えていた。
「智くん…」
ぴくりとも動かない智くんは、生きているんだろうか
そんなことが頭をよぎった瞬間、行長先生が叫んだ。
「おみちっ…」
その声は行長先生だったけど、純一郎さんの叫びだった。
「おみちなのか!?」
行長先生は目を覆って地面に倒れ込んだ。