第6章 ショコラ scene4
慌てて行長先生の腕を引いて立ち上がった。
裸足のまま庭に出ると、ガラス戸のガラスが散乱してる。
それを避けながら音がした方向に全力で走った。
「思い出してください!下女の女の子!」
走りながら行長先生の中にいる純一郎さんに必死に呼びかける。
「下女…女の子…」
「あなたの死んでるのを発見した女の子だよ!」
「みち…おみちや…」
ぐるりと母屋を回り込んで、音のでた方向を探す。
表の植栽まで出ると、そこには全員集合していた。
一方向を見て、皆固まってる。
足音に気づいて、雅紀が振り返った。
「翔ちゃんっ…」
「奥さん!行長先生に純一郎さんが憑いてる!」
奥様が驚いて振り返るのと同時に、傍に居た若い男性が身を翻して、凄い勢いでこちらに来た。
「こちらに!」
俺の手から行長先生を奪うように引っさらっていくと、表のガレージに引っ張り出した。
「先生方っ…親父の中に、純一郎さんが入りました!」
え?今なんつった!?
慌てて後を追っかけていったら、おじさんとおばさんが行長先生の肩を抱いていた。
「いいですか、純一郎さん…あそこにあなたのご家族がいるんです…わかりますか?」
おばさんが指した先には、潤が居た