第6章 ショコラ scene4
身体が勝手に動いた―――
雅紀の前に立つと、潤の身体を咄嗟に受け止めた。
目の前でみた潤の顔は、潤じゃなかった
「潤っ…」
潤は牙を剥いて俺の腕に噛み付いた。
「あああっ…」
「翔ちゃんっ…」
雅紀の声が聞こえる
「だめだっ…来るな雅紀っ…」
「いやだーっ…」
必死に潤の腕を取って雅紀の方へ行かせないようにするだけで精一杯だった。
藻掻いてると一瞬目の前が暗くなった。
「わんっ…」
潤の背後から黒い影が広がったかと思うと、強い衝撃が来た。
「うわっ…」
驚いて身を翻すと、俺の前にニノが居た。
「ニノっ…」
ニノは唸り声を上げて俺と雅紀を後ろに庇った。
それを見た潤は身を翻して智くんの方へ飛び上がった。
瞬間、ニノの身体も飛び上がった―――
「翔ちゃんっ…」
耳が…痛い…
ニノと潤の動きがスローモーションのように見えたかと思うと、音が消えた
ちりりり…ん…
”おいで…こっちにおいで…”
声が、聴こえる…
ひたひたひた…
足音…
寒い…ここは…
ここはどこ