第6章 ショコラ scene4
行長先生との話が終わって、先生が客間に戻ろうとした瞬間、ものすごい音が聞こえた。
「うわっ…」
それは地震の家鳴りにも似た音で…
いや、それよりも酷い。
家が壊れそうな音だった。
「あなたっ…」
「おまえ、ここを頼んだよ…」
先生が慌てて襖を開けようとした瞬間、大きな音を立てて襖が倒れてきた。
「ああっ…あなたっ…」
先生はあっけなく襖の下敷きになり、その上にいたのは…
「潤っ…」
口の端から泡を吹きながら潤が猛り狂ってる。
まっすぐに智くんに向かって身体が跳ねたかと思ったら、直前でふっとばされた。
「えっ…!?」
智くんの前にニノが仁王立ちしていた。
「わんっ…」
ニノは四つん這いになると、潤に向かって唸り声を上げた。
「く、黒っ?黒なのか!?」
ちゃぶ台の上に落ちてきた潤は派手な音を立てて、そこを飛び退いた。
壁際に置いてあった茶箪笥を背にすると、血走った目であたりを見回した。
その目が、止まる―――
「雅紀っ…」
潤の身体が天井まで跳ね上がった