第6章 ショコラ scene4
すぐに純一郎さんが疲れてきたので、ニノと智くんは次の間に帰ってきた。
「わかりませんでしたね…」
「ああ…誰なんだろうな。猫鬼の術者…」
「相当、純一郎さんに思いを掛けてるような人かと思ったんですがね…見当たりませんね…婚約者といっても親の決めたものだし…同居してたかもわからないし…」
俺たちになら心を開くかもしれないと喋ってみたけど、あんまり進展はなかった。
「ありがとうございました。お疲れでしょう、晩飯にしましょう」
行長先生も次の間に入ってきて、肩を少し回した。
肩、こってるのかな…
「肩でももみましょうか?先生」
「いえいえ…櫻井さんにそんなことさせたら、全国の乙女に恨まれます」
「な、何を言ってるんですか…」
「…お休みは、いつまででしたでしょう…」
「俺は…月曜までですが、後の4人は火曜までです」
「そうですか…」
先生の顔に焦りが見える。
相当今回のは根が深い…
取り憑かれながらでも仕事ができた前の俺達の状況とはちょっと違う。
完全に潤が表に出てこないから…
「松本さんを表に引っ張り出すことができたら…猫鬼を祓うことができるんですがね…」
「ええ…」
今は先生方のお力で猫鬼が表に出てくるのは抑え込めているらしい。
だから潤もおとなしくしてるけど…
このままだと、潤は休業するしかないのかもしれない。