第6章 ショコラ scene4
猫…もしかして猫鬼に使ってる猫のことか?
先生はゆっくりと潤の身体を起こした。
「猫…そうですか…」
額に手を当てていたおじさんは、潤の肩に触れた。
おばさんはゆっくりとそのおじさんの横に立つと、もう片方の肩に触れた。
行長先生はごく自然に潤の手を握っている。
「それはあなたの飼っている猫のことですか?」
「そうや…白はどこ…?」
不安げに周りを見渡して、泣きそうになっている。
行長先生は若い男性に目を向けると、男性は潤の手を握って行長先生の代わりに話しかけた。
「みなさん、あちらへ…」
次の間に俺たち4人は連れて行かれた。
「先生…どういうことですか?あの人、誰…?」
雅紀が先生に聞くと、先生はちょっと押し黙った。
「どうぞ座ってください」
ちゃぶ台の周りに腰掛けると、事務所の人間も集まってきた。
「あの…どうかしたんですか?」
交代で詰めているマネージャーが不安げに聞いてくる。
「潤が目を覚ましたんだけど…違う人が出てきたんだ」
「えっ?」
「先生、あの人は…」
先生は一つ息を吐いた。
「ええ…あの人は猫鬼の飼い主でしょう…」
「じゃああの人が術者なの!?」