第6章 ショコラ scene4
行長先生のお宅に着くと、家の中はしんとしていた。
奥様と雅紀が玄関まで出てくれていた。
「おかえり。翔ちゃん」
「おかえりなさい、櫻井さん」
自分の家でもないのに、おかしな感じだった。
「ただいま…です…」
「お夜食でも用意しましょうか?」
「い、いえ…局で食べてきたんで大丈夫です…」
こんなに夜遅いのに待ってて頂くだけでも恐縮なのに…
4人で寝ている座敷に入ったら、ニノと智くんは先に休んでいた。
雅紀ととりあえず布団の上で座って、小さな声で今日のことを聞いた。
奥様はお茶を出すと戻って行かれた。
「どう?潤の様子は…」
「うん…昼間、ちょっとだけ顔を見させてもらったけど、なんか痩せてた…」
「えっ?」
「多分、福岡であんまり食べてないんじゃないかって…」
「ああ…」
そういえば潤が食べてる姿はあまり見かけなかった。
乗っ取られてる相手が相手だから、食事なんか必要なかったんだろうな…
「で、雅紀は?」
「え?」
そっと正面に座る雅紀の手を握った。
「おまえは大丈夫なのかって聞いてんの」
「翔ちゃん…」
にこっと笑うと、雅紀はぎゅっと手を握り返した。
「大丈夫。翔ちゃんが居るから」