第1章 ラピスラズリ
ドームに入って、控室に荷物を置くと潤はすぐにステージに出て行った。
マネージャーたちも他のスタッフさんと打ち合わせがあるとかで、出て行ってしまった。
俺とニノはぽつんと控室に取り残された。
「…ねえ、大野さん」
「なんだよ」
「なんでライン読んでくれないの?」
「あ?忙しかったから」
ぶすっと釣り雑誌をカバンから取り出すと、読みたくもないのに読み始めた。
「大野さん…」
ちょっと可哀想なくらいしょげた声が聞こえたけど、なんだかそれもまた俺を意固地にさせた。
黙ってると、控室のドアが開いた。
「いい具合にステージできあがってるよ…と…」
潤が俺たちの空気を察したのか、黙り込んだ。
なんか居たたまれなくなった俺は、雑誌を置いて立ち上がった。
控室のドアを開けて外に出た。
まだケータリングとかなんにも準備されてないからどうしようかなと思ったけど、自販機まで行くことにした。
「リーダー、待てよ」
後ろから声が聞こえた。
振り返ると潤とニノが立ってた。
なんか怖い顔してる。
「んだよ…」
無視して歩こうとすると、ぐいっと腕を引っ張られた。
「あひゃっ!?」
ぐいぐい引っ張って行かれて、すぐそばの空き部屋に押し込められた。