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【マフィア松】鳥籠の花嫁【R-18】

第2章 憧れはいつだって


会場は混乱を巻き起こす。先ほどまで自身を着飾っていたドレスは脱ぎ捨てられ、男も女も皆スーツに着替える。

が、しかし。

「いや、待て。野郎ども。今はお前たちの出番ではないぞ。」

頰に大きな傷を持った男が会場の静寂を取り戻す。

「まずは謝罪を。
愚娘が失礼なことをした。しかし、どうやら鬼ごっこがしたいらしくてな。大人に近づいているとは言え、まだまだ遊び足りない年頃…」

一種のジョークとして会場には、大きな笑い声が上がる。

さすが、ボス。
柔軟な御発想で。

などと世事にも程がある戯言を、人々は仄めかす。

「まぁ、どうだね。この際お前たちではなく、花婿に鬼をやらせてみては。きっとその方がわたしの娘も喜ぶだろう。どうだね?松野おそ松くん、カラ松くん、チョロくん、一松くん、十四松くん、トド松くん」

男の目線の先には、身長も、顔をややにている六人の青年。

赤の青年は赤いシャツに、だらしなく締めた白ネクタイ。そして肩に羽織った黒スーツ。時折見える八重歯が野良犬のように鋭い。

青の青年は上から三つほどボタンを空け、筋肉質な胸元を見せつけるかのように青いシャツを纏った男。サングラスがギラギラと光っている。

緑の青年は、六人の中ではフォーマルな格好。緑シャツが首元からチラリと見え、手には黒い手袋が。腰に常備されているのは革製の茶色いポーチ。

紫の青年はなんとも気怠けそうな目をしており髪はボサボサではあるが、紫のシャツの上の黒いベストがよく似合う。

黄の青年は焦点が合っていない。袖がびよんびよんに伸びており、本当に真っ当な教育を受けた人間なのかと疑うほど。

桃の青年は青年と呼ぶにはまだあどけない表情。甘い、いちごのような雰囲気を匂わせ、視線は常に持ち合わせているタブレットに。


「君たちの花嫁だ。捕まえたら好きに遊んでくれて構わない。ただし、殺しはするなよ。あいつにはまだまだやってもらわなきゃならないことがあるからなぁ。」

そして、ひたいに傷を持つ大男は耳にはめ込まられた通信機のスイッチを押す。

「会場前のガードマン達、聴こえるか。今からそこに愚娘もが向かう。道を空けておけ。いまからゲームを始める。」

『承知。』

さぁ、いけ、狂犬ども。
逃げ出した鳥を捕まえろ。

大きな声が反芻した。
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