第2章 次男✕新人家政婦 紫月麻友
優が家を出たのを確認し、渉のパソコンのデータフォルダの中から自身が盗みを働いてた動画、渉と性行為をした動画を削除した。これで漸くあの腹立たしいガキから解放されると、胸をなで下ろした。
「ポチ、何やってるの?」
麻友はその声にハッとして振り返ると、そこには学校から帰宅した渉がそこにいた。今までであれば、その渉の姿に怯えていたが、脅しのネタとなっていた動画をパソコンの中から削除した事で、麻友を脅すネタは無くなっていた。その為、麻友は、今まで渉に従順にしていたが、渉に怯える必要が無くなった為、渉の姿を見て笑みをこぼした。
「私、もう家政婦やめるから。」
「そんな我儘、僕が聞くと思ってるの?」
「もう、あの動画は削除したから、脅そうとしたってそうはいかないんだから。」
「え!?」
渉は慌てて部屋に入ると、パソコンの前にいた麻友を押し退け、パソコンから例の動画が消えてる事を確認した。
「今まで良くも好き勝手やってくれたわね…!絶対許さないんだから!」
麻友がそう言うと、渉は声を上げて笑った。
「何笑ってるのよ!?」
「ポチがあんまりにも馬鹿だから可笑しくなっちゃって。」
渉のその子供に麻友は顔を顰めた。10歳も年下の小学生に馬鹿呼ばわりされるなんて思ってもいなかったからだ。