第2章 次男✕新人家政婦 紫月麻友
「それじゃあ僕は学校に行ってくるから、お利口にしててね。」
そう言って渉は家を出た。
渉が家を出てすぐ、麻友は脱いだ衣服を身につけた。渉が帰ってくる頃にまた服を脱げばいいと思ったからだ。
そしていつも通り家事を済ませた。
「…そうだ、動画。」
あの動画さえ無ければ、そう思った麻友は渉の部屋に入り、例の動画を探した。昨日のビデオカメラは直ぐに見つかったが、既にビデオカメラの中にデータは無かった。
そして、部屋にあるパソコンを着けたが、パスワードが設定さらており、開くことが出来なかった。
そして渉が帰ってくる時刻が近付き、麻友は身につけた衣服を再び脱いだ。
暫くすると、ただいまと言って帰ってきた渉。
「ポチ!」
名前を呼ばれた麻友は玄関に向かった。
「ダメじゃないかポチ。ご主人様が帰ってきたんだからちゃんとお出迎えしないと。」
「…ごめんなさい。」
「いい?明日からは僕のお迎えをちゃんと玄関でするんだよ?んーそうだな。ただお迎えされるだけじゃつまんないし、昨日みたいに一人エッチしながら僕の事お迎えしてね?」
「…はい。」
麻友に拒否権はなかった。取り敢えず、従うふりをして、渉のパソコンのパスワードを手に入れ、動画を削除したらこんな家出て行ってやる。そう麻友は心に決めた。
「取り敢えず僕喉乾いちゃったから何か飲みたいな。」
「すぐ飲み物準備するね。」
麻友は台所に向かった。そして冷蔵庫の中から渉のお気に入りの炭酸の入ったグレープジュースをコップに注ぎ、リビングのソファに座る渉へと持って行った。
「違うよポチ。分かってないな。」
いつもなら喜んでそのジュースを飲む渉。だが今日は違った。