【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
――だんっ!!
銃声が響く様な音にシンと静まり返った。
音の根源は兵庫第三協栄丸。
自らの拳を甲板へ思い切り叩きつけたのだ。
「――てめぇら!グチグチうるせえぞっ!! 少しは落ち着け!!」
「へ、へい……!」
「すいませんっ、お頭…っ!」
皆口々に謝罪を言って、頭を下げる。
「それから重っ! お前もお前だっ!! 兵庫水軍の一員なら一時の情で庇い立てするなっ! 仲間を危険に晒すつもりかっ!!」
「――っ。……す、すみませんっ」
重はまだ何か言いたげの様子だったが、素直にそう謝罪すると黙って深く頭を下げた。
その後ろでは麻言がオロオロと重に、兵庫第三協栄丸、
兵庫水軍連を順々に見回していた。
「……とりあえず、一旦陸へ戻るぞ。――そいつの事情は水軍館に戻ってから改めて訊く」
『へいっ!!』
兵庫第三協栄丸に毅然と返事を返すと、皆各々の持ち場に再び戻っていく。
「っち……。とりあえず、お前さんは中に入んな」
と、麻言を横目で見ると船内へ続く扉を疾風は親指で指し示す。
――その直後であった。
「さ……っ、鮫が出たぞおおぉぉぉっ!!!」
船上で水夫の悲鳴な叫びがこだました。