【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「―えっ!もうお湯沸かしててくれたのっ」
「ああ。だって、着いてからずっと待たせるのも
なんだと思ってなぁ」
所変わって、白南風丸宅。
の、風呂場前。
風呂焚きはなかなか大変な作業だ。
井戸水から何度も水を組み、薪に火をつけるにも結構な体力がいる。
…最初の頃、お爺さん、お婆さんが用意してるのが
大変そうで、代わりに僕がやりはじめたんだけど―
あれは一人だとかなり手が掛かって大変だ。
「そ、そんなぁ。気を使わなくて良かったのに」
「大丈夫だって。体力はあるんだしな」
力だってそこそこある方だしっと言って、白南風丸は得意そうに笑う。
確かに、白南風丸だけでなく兵庫水軍一同は皆強靭そうな肉体をしていた。
余程厳しい労働である事が伝わってくる。
「にしても、麻言は歳のわりにあんまり筋ばってないんだな」
ふと、そんな話をしていて麻言の手に目が行った。
そして、その手が異常な小ささに白南風丸は気がつく。
思わず、自身の手で麻言の手を掬い上げると―
ふにっ
「―んんっ!?」
その柔らかさに白南風丸は仰天する程だった。
感触に既視感を覚え、思考する。
えーと、ほらあれだ!
―大福。
大福餅だっ。