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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅




外へ出ると、すっかり辺りは真っ暗になっていた。
しかし闇の中から聴こえる潮騒と、香りに
ここが先程の浜辺である事を感じ取れる。

「―あっ」

屋内から数歩出たところで白南風丸がそう声をあげた。

「どうしたの?」
「い、いやすいません。実は薪の数が確認できてなくて…。
ちょっと、見てきますんでその間ここで待ってて貰っても?」

ばつが悪そうに白南風丸が訊ねると、
ああと合点がいったように麻言が頷いた。

「ごめんね、手間かけさせて」
「何を言います。仲間の命の恩人の為ならこのくらい全然軽いもんですよ」
「え、いやぁ、そんな。有難う。
―…えーと」

急に言葉を詰まらせた麻言に
「どうしました?」と白南風丸が小首を傾げる。

「あの…さっき第三協栄丸さんが言ってた通り、
僕ら歳近そうだよね?良かったら、敬語じゃなくて
普通に話して貰えないかなぁって」
「えっ、でもその…貴方は私の兄貴分の恩人なわけですし」

それに、俺は補欠ですしと困った様に笑うと

「そんなの関係ないよ」

きっぱりと麻言はそう言った。

「僕は水軍の上司でもなければ、
何処かのお偉い人でもないだろうしねえ。
―それに、そう言ったら君だって僕を助けてくれた
兵庫水軍の一人だよ。君だって恩人だ」

続けて言うと、麻言は軽く微笑んだ。
そんな麻言を呆気に取られたように
白南風丸は見ている。

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