【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「━よし。とりあえず、精鋭の自己紹介はこんなもんだな」
「そういえば、他の皆さんは?」
船ではもっと沢山の水夫がいたはずだ。
「兵庫水軍の水夫達は多いんでな。皆この館には入りきらねえんだ。
まあ、もしまた見かけて声を掛けてやってくれれば俺も嬉しい」
麻言がはい!と返事をすると第三協栄丸は笑顔で頷いた。
そして、ふと窓の空を見る。もうすっかり日は落ちていた。
「はええな、もうすぐ春っつっても暗くなるのは…」
そう言って麻言に向き直ると
「今日はもう遅い。夜道は危ねえから、良かったら一晩泊まっていきな」
「えっ、いいんですか?…でも」
「大丈夫だって、遠慮すんな。
白南風丸━っ!」
第三協栄丸に呼ばれて「はい!」
と白南風丸が勢いよく返事をした。
「良かったら、お前ん家にこいつを泊めてやってくんねえか?
俺の家でもいいんだけどよ…汚えし、それに年の近そうなお前のところの
方が落ち着くだろうしよ」
「成程、確かにそうですね」
すると、その会話を目にしていた重が
「はいはい!お頭っ!
私の家も空いてま━「しぃぃぃ~げぇぇぇ~…」
提案しかけたが、背後からの声と殺気にかき消される。
重は恐る恐る後ろを振り向くと
何やら黒いもやを背負った舳丸が見下ろしている。