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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅



「―重っ!何やってるんだ。手伝えっ」

鋭さを含んだその声に二人が注目する。
少し離れた場所で見据えす様に舳丸が見ていた。

「…あっ。すいませんっ、兄貴っ!
えっと、じゃあまた後でな麻言っ」

重は踵を返し、舳丸の方へ駆けていく。
たどり着くと重は舳丸と何やら話している。

怒られてるのかな?
麻言は心配したが、その後二言程会話すると
今度は舳丸の方が麻言に近付いてきたのだ。
どうしたんだろう。

「あの━「さっきは、重を━弟分を助けてくれて…感謝する」

声を掛けようとした麻言を
遮って舳丸はそう口にした。
射抜くような視線と柔らかく澄んだ瞳が一瞬交差する。

「…それだけだ」

そう言って踵を踏んで重の元に戻っていく。

「━あのっ」

麻言の呼び声に舳丸が振り向くと

「僕こそ━
さっき、海に沈んだ時
助けてくれて有難うございました!」

そう言って頭を下げていた。

「…気にするな」

それに舳丸は素っ気なく答えるとそのまま行ってしまった。
怒っては…ないんだよね?
麻言は思わず首を傾げる。

「━おっ!いたいた…っ!麻言~っ!!」

遠くの方から兵庫第三協栄丸が
そう呼びながら駆けてきた。

「そろそろ飯の用意ができるんで、
呼びに来たんだよ!たっくさん作ったからな」
「うわあっ、それは嬉しいです!楽しみだなあ~」

麻言は両手を合わせて、目を輝かせた。
「それじゃあついて来てくれ」と言った
兵庫第三協栄丸に続こうとした時、先程話した
舳丸と一瞬目があった。━がすぐに逸らされた。

「…?」
「おう、どうした?」
「あ、いえ…何でもないんです」

足取りが止まっている麻言に
兵庫第三協栄丸が訊くと曖昧に笑顔を作って返した。

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