【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
陸に着いた後、兵庫水軍達は船内に積んでいた道具の
片付け等に追われる中。
少し離れた所で観ていた麻言に話しかける者がいた。
「よっ、大丈夫か。疲れてないか?」
言葉に気遣いを表しながら、無邪気な笑顔を見せる。
「あ。えっと、君は確か…
―重君」
麻言がそう言うと、一瞬呆けた様な顔をしたが
直ぐに嬉しそうな笑顔へと変わる。
「俺の名前覚えてくれたのか…っ!」
「あはは、だって命の恩人だからねえ。
それに、ずっと『しげ、しげ』って皆に呼ばれてたから覚えちゃったよ」
「へへっ、そうかっ!」
そう言って重は照れくさそうに笑いながら、指で鼻の下を擦る。
そして「え~っと」と切り出すように言って。
「言いそびれてたんだけどさ…。
さっきは助けてくれて有難うな。
お前こそ、命の恩人だよ」
感謝の気持ちを言葉に頭を下げた。
それをぽかんと見ていた麻言だったが
「いやいやいや…!
こっちこそ、有難うだよっ!
ってか、僕ちゃんと君にお礼言ってなかったねっ!?」
焦った様に顔の前で両手を振り回す麻言を見て、
重が吹き出した。
「っはは!やっぱ面白い奴…っ。
じゃあ、『命の恩人同士』って事で!」
「え~っと、じゃあそんな感じで!?」
そう言って、分けがわからないまま
親指を突き出す麻言にしまいには腹を抱えて笑い出す。
―と。