【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「-と、とにかく大体事情は分かった!」
半場誤魔化すように兵庫第三協栄丸が声を上げると
一つ咳払いする。
「しっかしお前さん…どうして、そのご夫婦の
家を出たんだ?他に行く宛もねえだろうに」
「…あ。…その事…なんですけど…」
思い出したように蜉蝣がそう疑問を口にすると、
初めて麻言が言い淀んだ。
-と。
「-お頭あぁっ!陸が見えて来やしたぁ!」
水夫の一人が大声でそう報告した。
「おうっ!…まあそれについても何か事情がありそうだが-
お前ら、とりあえず陸に上がる準備だ」
『へいっ!』
周囲の水夫達は兵庫第三協栄丸の一言に
それどれ持ち場に散っていった。
兵庫第三協栄丸は麻言に向き直り
「お前さんは、良かったら中で休んでな。
もう時期に着くからな」
「有難うごさいます。あの、差し支えなければ
ここで景色を見ててもいいですか?」
潮風が気持ちいいのでと付け加えれば、
その言葉に兵庫第三協栄丸は嬉しそうな笑みを浮かべた。
「おうよ。だが、船から落ちないように気をつけろよ?」
「はいっ!」