【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「はあ~美味しい。幸せ~…」
食べ物が口に入るたび恍惚とした表情で
ため息を繰り返していた。
「はははっ、それだけ喜んで貰えれば
私も作りがいがあるってもんだよ」
と、奥の部屋から割烹着を着た鬼蜘蛛丸が
ひょっこり顔を出した。
「おうっ、お疲れさん鬼蜘蛛丸。良かったな、
ご満悦みたいだぜっ」
「ええ。私まで嬉しくなっちまいますよ」
嬉しげに、楽しげに笑いながら鬼蜘蛛丸は
麻言の食べっぷりを見ていた。
「あ、あのこれ。もしかして全部あなたが?」
周囲のご馳走を見て麻言が確認すると
「ああ、流石に私だけじゃないよ。
そこにある刺身は間切がさばいてくれたし。
あ、あの塩焼きは航だったかな?」
料理にも性格が出るようだ。
間切の刺し身はきちんと統一して
切り分けられているのに対し、航の作った塩焼き。
その並ぶ魚達は豪快な串刺しのされ方だった。
「魚ったら、塩焼きだろっ」
作った航本人は歯を見せて笑っている。