• テキストサイズ

【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅




ぐううぅと全員に聞こえる程の腹音が鳴り響く。
「あらら~」と顔を赤くした麻言はばつが悪そうに俯いた。
どっと周囲から笑い声が上がる。

「がっはっはっは!腹の虫も丁度鳴いてやがるなっ」
「あはは~。いやぁ、かれこれこの数日間
水だけしか飲んでなかったもので」
「そうかそうか、数日間も…
―何ぃっ!数日間っ!?」

麻言の返答に目をむき兵庫第三協栄丸が前のめりになった。

「数日間ってお前…!その間ずっと、
あの岩礁で引っかかってたって事か?」
「ああ、いや。多分そこにいたのは
昨日の晩から今朝までの間かなあと…記憶が確かならですが。
―実は僕、夜道で崖から足を踏み外して海に落ちちゃったんですよ。
どうもそこから意識がなかったみたいで」

麻言はそう説明すると昨夜の
出来事を思い出しながら苦笑する。
しかし、まだ気になることがあった。

「―じゃあよ、その更に数日前はお前何してたんだ?」

疾風はそう問いかけると
「あっ、別に尋問してるわけじゃねぇからな!」
と慌てて継ぎ足す。
すると麻言は呻りながら、
腕を組んで目を瞑り眉を顰めた。

「う~んと実は…えーと…」
「どうした?」
「実はこの話…結構長くなってしまうんですが構いませんか?」

そう訊ねると、疾風が頷き
兵庫第三協栄丸にも目で確認を取ると深く頷いた。

「有難うございます。それから―
話をする前に単刀直入に言いますね」

皆怪訝な目で麻言へ注目すると


「僕は―どうやら、記憶喪失のようなんですよ」


ときっぱりと言い切った。
正しくは三ヶ月前からの記憶がないと付け加えて。


/ 177ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp