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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅




「―あ、あいつ…っ!あの鮫を…真っ二つにしやがった…」

船上で呆気にとられていた兵庫水軍の中で
一番に口を開いたのは義丸だった。
他の皆は今見た出来事がまだ信じられないのか、
目を見開いたまま何度も瞬きを繰り返している。





先程、舳先に集まっていた皆の
後ろから声がしたのは突然の事だった。


「―ちょっと、すいませーん!!」

話しながら水夫の間を走り抜け、

「どいて下さいっ!!!」

舳先の縁側にいた舳丸達は、
いきなりの事に思わず横に身を引いていた。
そのまま駆け抜け、舳先の縁に麻言が足を掛けると。
それを軽く踏みつけたのだ。
その軽い音の衝撃からは考えられないほど、
麻言の身体が弧を描く様に大きく宙に浮いていた。

「な…っ!!あいつ何を…!」

身を乗り出さんばかりの疾風。
他の水夫達も同様だ。

そして、麻言は片手に持っていた刀を
勢い良く引き抜いた。
真っ直ぐ鮫目掛けて、飛んでいく。
そして麻言は見据えた。
目標に向かって大きく刀を振り上げる―


「す、すげえ…」

ごくりと唾を飲んだのは、舳先まで来ていた航。
隣にいる網問も大口を開けたまま、海の方を見ていた。
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