【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
━━ドドドォンッ!!
突如轟音と共に激しい揺れが襲う。
「お、わっ!!」
予想もしない出来事に
座り込んでいた麻言は堪えきれず後ろへ倒れかけたが
間一髪の所で網問が背中を支えた。
「あ、有難う…!」
「どういたしまして。今のは━━」
言いかけた網問の言葉を遮る様に外から悲鳴のような叫びが飛び交う。
━━そして二度目の衝撃。
二人は身を守るように、蹲った。
「ちいっ、鮫の野郎っ。船体に攻撃してやがんのか……っ」
網問は小さく悪態をついた。
麻言は━━蹲ったまま、微動だにしない。
しかし、どっどっどっと心臓が大きく脈を打っていた。
━身体をぶつけるだけでこんなに大きな船を揺らすなんて、
どんなに大きいんだ?
……誰も怪我はないんだろうか?
さっき僕を庇ってくれた男の子は大丈夫かな?
……おまけに、泳いで連れてきてくれたのにお礼も言えてない。
えっと確か名前は━━
「━━━重ええええええええええええぇぇぇぇぇぇっ!!!」
重の兄貴分である舳丸の絶叫。
━━瞬間、跳ねるように立ち上がった麻言は
網問を振り切って船上へと駆け抜けた。