【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「━…ふーん、確かに変わった鞘だなあ……」
しげしげとかざす様に網問は刀を眺めていたが、
ふとその視線をと麻言へ移す。
「なあなあ、あんた」
「……へ?僕っ?」
突然の網問の声かけに、麻言はきょとんとしながら自身を指差す。
「……っぷ、あははっ『あんた』って『あんた』しかいないじゃんっ!
━確かに、重の兄貴が言う通り悪い奴って感じじゃないよなぁっ」
その反応に小さく吹き出すと、快活とした笑い声を上げた。
当の笑われている本人はと言うと「…はあ」と何とも言い難い様で
軽く頬を掻いている。
「……えーっと、所でちょっと訊きたいんだけど。
さっきさ、風太夫…あ、さっきいた人ね。
と話してたじゃん。あれってどういう意味?」
「え、えと…どういう意味とは??」
先程の会話を頭の中で思い出してみる。
どういう事だろう。思い当たる節がない。
「だ~か~ら~
……あんたは『何を』心配してるの?って訊きたいんだって」
「…あぁ」
合点がいった。
「━━そりゃ、『この船にいる人達』の事だよ」
カチリと二人の視線が合う。
麻言の顔は当たり前だろうとでも言っているようだった。
それに対し目を丸くしていた網問だったが、
徐々に表情を緩めると
「━━成程ね」
軽く頷いた。