【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
━船内の奥にまで船上での爆発音は派手に鳴り響いていた。
真上から駆け回る水夫達の足音も聞こえる。
上を向き不安そうに眉を潜めながら麻言は、
音が聞こえる度その方向へ顔の向きを変えていた。
「へっ、てめぇも災難だったなぁ?
まさかこんな時に捕まるたぁ思いもしなかったろ」
同情とも嘲笑とも取れる笑みを浮かべながら、
麻言の見張りとして傍にいた疾風がそう言った。
「だ、大丈夫かなあ…」
「おいおい……。どっちにしろおめぇにゃ、
船が沈もうが沈まなかろうが状況の悪いのには変わりねぇだろ」
「ああ、いや……そういう意味じゃなくて……」
麻言の言葉を、この船の安否についてだと受け取った疾風であったが
麻言はそれについて否定した。
じゃあどういう意味だと追求しようとしようとするも
「━風太夫」
その後方からの呼びかけに声として出る事はなかった。
声の主は水夫の網問であった。
「なんでぃ、どうした?」
「そいつの見張り交代しますよ。
風太夫も上に居て頂けないと……現場の指揮とかもありますし」
「━おおっ!それもそうか!じゃあ、頼むぞっ」
網問の言葉を疾風は勇んで受け取ると、抱えていた麻言の刀を
網問へ渡し船上へと駆けていった。