第3章 ~弐~FRIEND
「遅くなってすまない。救援に来たよ」
「五番隊…藍染隊長!市丸副隊長!!」
修兵の声にサラはその姿を確認すると結界を解いた
そこに藍染が現れ、怖がっている桃の頭を撫でながら話す
「怖かったろう?良く頑張ったね後は我々に任せて休んでいるといい」
そう言うと、瞬く間に虚を倒してしまった
皆が呆然としているのを余所に藍染達がサラへ近寄って来た
「こりゃエライべっぴんさんやなぁ~?」
白髪で切れ長の目をした市丸副隊長が息のかかりそうなほど近くで私を見る
「女の子にいきなり失礼だよギン...君の名前は?」
厚めの眼鏡をかけた物腰のやさしそうな男性
この方が藍染隊長...
私がジッと見つめていると、優しく微笑まれ慌てて問いに答える
「あ…六回生のハルカサラです」
「…さっきの外部からの攻撃を反射した結界は…【鏡門】だね?」
「………はい」
「【鏡門】自体そんなに難しい鬼道じゃない、だがあれだけの虚の中素早く正確に結界を張るとは…まだ院生だというのに驚きだ」
「そんな事…たまたまです...」
「しかし浅打で挑むなんて無謀だと思わないかい?…それとも何か勝算でもあったのかな?」
その時私は背筋がゾクッと冷たくなった
表情も言葉も優しいのに"何か"がおかしい
何故だか解らないが心を許せない自分がいた
「(…気のせいよ、ね?)い…いぇ、夢中だったものですから…」
「僕達が来たから良かったけどね。随分無鉄砲なお姫様だ」
藍染隊長はそう言って私を優しく撫でる
なのに私はそれ以上何も言えなくなってしまった
彼は、そんな私の頬に一瞬手を触れると、此処から立ち去っていった
桃「すごかったね…」
恋「ん?…まぁ隊長だからな」
桃「私達あんな風になれるかな?」
イ「なるよ僕は。なって見せる」
恋「隊長もだけどサラもすげぇよ。また…助けられた」
イ「本当だね。隊長にも褒められてたし」
桃「うん…サラちゃんも目標だ♪」
「……サラ…」
どこか遠くを見る私に、修兵の呟いたか細い声は、届くことはなかった