白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
名前を呼ぶのに
深い意味なんてない
電話の向こうに相手が居るんだ
当然だ。
なのに
「強情だねェ?
素直に感じて楽になっちまえよ」
もう、ダメだ
目の前の姫凪に
空き過ぎた腹と
空っぽの心が
『光太郎、あの…また、明日かける!』
「…聞かせてやれば良かったのに
お前もケモノに堕ちる声…」
お前を喰らおうと牙を剥き出しにしてる
『いや…クロ…待って…』
「待たねぇ
言ったろ?疲れたんだ…
待ちくたびれて…腹ぺこなんだよ…
大人しく…戻れよ。
俺の蜜に擦り寄る蝶…に…」