白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
〈姫凪ー?〉
俺が触れた通話のマークに
勢い良く放たれた声が
俺の愛しい名前を叫ぶ
「(ほら、応えてやれば?
光太郎…って)」
姫凪に携帯を返し
耳元に黒く囁く
涙目の姫凪が首振り
見上げて来る顔にゾクリと煽られる劣情
〈姫凪?おーい?
大丈夫か?〉
木兎の声に揺れる目を
「(俺が話す?)」
俺の声に揺れる目に変えて
「(ほら、早く話せよ?
いつもみたいに…
出来るもんなら、な?)」
パニックになってるであろう頭を
俺一色に染める準備を整える