白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
『え…大丈夫…!
一人帰れる…』
冷たい事言うなよ
「送り狼になるとか思ってる?」
なァ、察して?
『そんなんじゃ、ない、けど…』
「じゃあ、良いだろ。
ほれ、カバン」
少しでも一緒に居たいんだ。
震えを必死に隠して差し出したカバンを
静かに受け取り頷く姫凪
つい、数分前までが
夢だった様に気まずい空気が
二人を包んでる
「…姫凪?」
『は、はい…』
「…なんでもねぇ
なんか、雨降りそうだな。」
雨は嫌いだ。
埋まらない左がやけに寒いから…