白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
ホントに。
大切に…したい…
しかったのになァ…?
なんで俺はお前を手放したんだろう。
意地でも掴んで離さなきゃ良かった
みっともなくても縋り付けば良かった
小さな背中が無防備に俺に向けられて
キッチンに消えて行く
「手伝う?」
『良いよ、一人分くらいスグだよ』
”どういう風の吹き回し?”
と、からかう声が続いて
キュッと水音が止まる音がする
シーンとしたリビング
近付いてくる気配
『…ねぇ、クロ。
話があるんだけど…』
隣に腰を下ろした姫凪が
オズオズと口を開いた