第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
「見ての通り、おれは丸腰だ・・・刀はお前の方が近い。ナイフもそこにある」
“いつでも刺してこい”とばかりに両腕を広げる。
「お前の力じゃ、おれを殺せねェだろうが、動けなくさせるくらいはできるだろ」
「え・・・?」
「そしたら、おれを海軍に引き渡せばいい。それで金は手に入る」
DEAD or ALIVE
“生死を問わず”
クレイオが金を受け取った後で、海軍から抜け出せばいいだけのこと。
「だがな・・・ルフィや仲間の首まで狙うっつうなら、お前でも容赦しねェ」
事情は知らないが、それほどの大金を必要としているのには理由があるはず。
数千ベリーで身体を売るようなクレイオにとって、それを手にするまでには気が遠くなるほどの性行為を重ねなければならないことくらい、ゾロの頭でも計算がつく。