第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
「随分と楽しそうだけど、どうしたの?」
「おお、ロビン! ゾロが酒を買いに行くってんだけど、迷子になるからサンジが心配してんだ」
「心配してねェよ!! ナニをどう履き違えてんだ、ルフィ!!」
調理台からサンジの怒号が飛んでくるが、ルフィは気にするそぶりもなくニコニコしている。
するとロビンは微笑みながらゾロを見た。
「あら、お酒を買いにいくのなら、私もお伴していいかしら」
「お前が?」
「ちょうど、本屋に行こうと思っていたところなの」
まだロビンを仲間と認めていないゾロは、不信感を思いっきり顔に出す。
しかし、断る理由がすぐに見つからなかった。
「ロビンが一緒に行くならいいわ。悪いけど、目を離した瞬間にいなくなっちゃう奴だからよろしくね」
「分かったわ、航海士さん」
「ロビンちゃん!! 本を買いに行くなら、おれと一緒に・・・」
「あんたはいいの、サンジくん!」
また話をややこしくするつもり? とナミがサンジを睨む。
しかし、恋多きコックは“怒った顔も可愛いなぁ”と鼻の下を伸ばすだけだった。
「ったく・・・なんなんだ、いったい・・・」
かくして、ゾロはロビンと二人で酒を買いに行くことになった。