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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~



「ナミさん、お茶をどうぞ」
「ありがとう、サンジくん」
「あのクソマリモ・・・せっかくナミさんが心配してくれているのに、なんつー態度だ・・・あとでオロしてやる」
「いいのよ。この島、ちょっと気になることがあって・・・私もピリピリしているのかも」
「気になること?」

ナミは愛情たっぷりに淹れられた紅茶を見つめながら、ため息を吐いた。

「ちょっとそこで聞いた話なんだけどね・・・マフィアが経済を牛耳っているみたい。随分とえげつないことをしているようよ」
「へえ」
「経済を牛耳るってことは、下手すれば海軍も動かせるってこと。ルフィやゾロが変に刺激しなければいいんだけど・・・」

航海士として船を任されている以上、クルーが無事に航海できるかどうかは、自分の肩にかかっている。
だから神経尖らせているというのに、あの剣術バカときたら・・・

「とにかく。ルフィとゾロが騒ぎを起こさないように、サンジくんも見張っててね」

「はい!! 喜んで~~!」

ナミの言いつけならば、たとえ火の中水の中。
サンジは目をハート形にしながら、今度はロビンに紅茶を届けるためにデッキの方へ出て行った。




「ぎゃははは、おい、今度はそっちに行ったぞ~!」

この船が掲げる旗を見なければ、他人はとてもこれが海賊船だとは思わないだろう。

ルフィ、ウソップ、チョッパーは子どものように虫を追いかけて盛り上がっているし、ロビンは静かに本を読んでいる。

「・・・・・・・・・・・・」

筋トレのルーティーンを終えたゾロは、手すりに寄りかかりながら、暗いトンネルの中で娼婦が鞭打たれていた山の方をボンヤリと見つめた。

もうすぐ夕方になるが、クレイオはまたいつものようにあの売春宿で客を取るのだろうか・・・





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