第9章 夢
しばらくは仕事と医務室の往復…
そんな毎日を送っていたある日
ハンジが部屋にやってきた
「リヴァイ、ちょっと今いいかな?」
「なんだ?」
「のことなんだけどね
独自に調べてみたんだ」
話によると
ハンジはここ数日の間
の部屋に入り浸り
色々話を聞いたり、質問したりを繰り返していたそうだ
「本当にキレイにリヴァイのことだけ忘れてるのね~
そんなに思い出したくないのかな?」
その言葉にリヴァイの表情は曇る
「じ、冗談だよ…アハハ…」
7年前…シガンシナ区が襲われた時
自分がどうやって逃げ出したのかが思い出せない…
5年前のトロスト区でも
誰かが助けてくれたような気がするけど…思い出せない
調査兵団に入ってからは
誰かと一緒にいることが多かったけど
思い出せない
「にとっては
その思い出せない人物が全て共通してるだなんて
わからないわけだからさー
思い出せないことがまだまだたくさんあるなぁ…
なんて言って焦ってたけど」
「チッ…本当に見事に俺の記憶だけ消えてやがるな…
そんなことがあるのか?」
「んー…私も古い書物を読み漁っただけなんだけどね
以前に深く考えていたことや
強い思いがあったもの…
そういうのを衝撃で逆に忘れてしまう
…とか言う話はあるみたいだよ?」
「…ほぅ」
「治し方は
時間がたって自然と思い出すのを待つしかない…
だってさ」
俺は その時思った
無理に思い出させることなんて
ないんじゃないかって
俺の近くにいたって
苦労するだけだ
わざわざ壁外行って危険な目に合わせるよりかは
団長命令で憲兵団へ…
そうだ、シーナ内にいればまだ安心できる
安全な場所で
幸せに…
普通の暮らしをすればいいんじゃねぇか…?
俺は、お前が幸せなら
それでいい…
なぁ
お前はどうしたい?