第18章 魔王様と看病
『今、夜と葵が買い出し行ってるから2人が帰ってくるまで隼はここに居てくれ!』
海に言われいつものソファーに掛ける。
目の前では始が掃除をしている。
掃除をしている始…悪くない。
でも、
「暇だな…」
夜と葵はまだなのかな?
「様子を見てこようかな?」
「隼!余計なことはするなよ!」
「はーい」
海は榊さんみたいに心配ばかりするよね…僕ももう大人なのに。
廊下から階段へと続く道は陽、涙、郁のプロセラメンバーが掃除をしていた。
「皆頑張ってるね~…隼さんが褒めてあげるよ?」
「隼より小春ちゃんに褒められたい」
「僕も手伝おうかな…」
壁に掛けてあったほうきを取りひとはきする。
ガタン…
「あれ?」
ほうきで掃いただけなのに散らかるのは何故だろう?
「何やってんだよ!?隼…」
「隼さん、後は俺たちでやりますから」
「隼も分まで頑張る」
陽に押されながら僕は玄関の近くまで来た。
「隼さん!」
玄関前には駆、恋、新の3人。
「駆たちも頑張ってるね…」
隼さん関心しちゃうな…
「褒めて「大丈夫でーす」」
「……そう」
こうやって廻って分かる事。
小春はいつも1人でやっていた。
仕事に行くときは見送り、帰ってくるときは迎えてくれる。
何気なく立っているこの場所も道も…
綺麗なのは掃除してくれる人がいるから。
当たり前だと思っちゃいけないんだ。