第18章 魔王様と看病
ピピッ…
「38.5度酷い熱だ…」
鳴った体温計を見ると高い熱を表していた。
「ごめんね…隼くん」
寝間着に着替えベッドに横になった小春。
頬は赤く染まっていた。
「僕は大丈夫だよ」
冷たいタオルを小春の額に乗せる。
「冷たくて気持ちがいい…」
「隼様が呪文を唱えておいたから早く治るよ…小春の熱が下がりますように…早く元気になるように…ってね」
「ふふ…ありがとう。隼くん…」
飲んだ薬が効いてきたのか直に小春は眠ってしまった。
「おやすみ」
音を立てないようにそっと自室を出る。
すると、ガタガタ…ガチャガチャ…と、物音がする。
音は共有ルームからだった。
「皆は何してるのかな?」
共有ルームには始に春、海が掃除をしていた。
「隼、小春の方は大丈夫なのか?」
「今眠った所だよ…海は何をしているの?」
「見りゃわかんだろ?掃除だよ掃除」
「いつも小春がしてくれてるだろ?小春が良くなるまでは俺たちで出来ることをやろうって始が」
「小春のようには中々いかないがな…」
「流石、始。優しいんだね…」
「隼~俺たちも忘れるな~」
「それじゃあ、僕も掃除を手伝おうかな?」
「隼、お前はやらなくていい!お前にはとっても大事な仕事があるから」