第18章 魔王様と看病
「ん~…美味しそうだね」
夜と葵特製の卵粥。
シンプルの料理なのに2人が作ったと言うだけで美味しそうと感想が出てしまう。
「隼さん、熱いので気を付けて下さい」
「ありがとう…夜に葵…」
海に任された僕の仕事。
掃除でもなく、料理でもない。
小春の看病。
『風邪なんて薬飲んで、1日寝ていたら治る』
海がそう言っていて僕は正直驚いた。
今までだったら直ぐに大きな病院に行ったり、家に先生が来て診てもらったりしていた。
それに、小春が寝込んでいるのを僕は初めて見る。
風邪をひいたことがないのではなく、風邪をひいても、僕は小春のお見舞いに行くことが許されなかっただけ…
僕が風邪をひいたらお手伝いさんたちが見てくれるんだけど、いつしかその役目も小春。
まあ、基本健康だから機会は少ないんだけど…
「小春?」
「……隼くん」
「目が覚めた?具合はどう?…」
「今、目が覚めた所だよ……薬飲んだから、大分楽になったかな?」
「夜と葵がお粥を作ってくれたよ…食べられるかい?」
「少し…いただこうかな?」