第2章 サクラ散る頃
「よっ千鶴!来てくれたんだな!」
「なんだ?平助知り合いかよ?」
「ほら、言ってたマネージャーの件、それがこの子!」
「まじで?お前たまにはいい仕事すんなぁ!」
部員が男子ばかりな上に、可愛い千鶴がマネージャー希望ということで、その場で部員達は沸いた。
「夢主(妹)ちゃんもマネージャー?」
千鶴に昼間も会ったね、と軽く挨拶をした沖田先輩は、私に聞く。
「いえ、私は剣道します。」
そう言うと、沖田先輩は少し驚いて、
「へえ…剣道、経験者?」
「はい。幼稚園からやってます。」
そう言うと、かなり驚いたみたいだった。
「お姉ちゃんも、昔は一緒にやってたんですよ?」
これには完全ノックアウトだったみたいで、
「夢主(姉)ちゃんが剣道?そんな姿見たら、僕笑い転げて死んじゃうかも。」
片手で口元を覆って、もうすでに笑いを堪えてる。
「さあさあ、せっかく見学に来てくれたんだ。総司、手合わせを見せてあげたらどうだい?」
「そうですね。夢主(妹)ちゃんは特別だから、僕が誰かと試合しようかな。」
うわぁ…沖田先輩の剣道見たいかも!わくわくしすぎてやばい!
その時、ガラガラと体育館の扉が開いた。
「遅くなりました。委員会が長引いてしまい…申しわけありません。」
ちょ…なにそれ………お姉ちゃんの彼氏きたーーー…!
まさかの剣道部…ちょっとまった…千鶴は…
「っ!」
息を飲んで固まってた。
お姉ちゃんのカレシ…斎藤先輩も、こちらに気がついた様子だったけど、一瞬ちらりと見ただけで無表情だ。