第1章 オムライス
その頃…
「あ?それは話が違ぇな。」
「ああ、悪いと思ってる。
だが、まるでこっちの情報が
漏れているかのように
どうにもならなかった…」
シドの眉間にシワが刻まれる。
舌打ちをすると
バーのイスから立ち上がった。
「まぁ…
命の危険がなかっただけでも
良しとするか…」
「この件に関しては、
引き続き俺が引き受ける。」
シドは出ていこうとした足を止め、
振り返る。
「何か策はあるのか?」
「…いや。
だが、この前の件で
お前には借りがあるから
何としてもやり遂げたいんだ。」
「……。
危険を感じたらすぐ身を引け。」
そう言って仲間を残し、
シドはバーを後にした。
(うまくいかねぇ…。)