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【100プリ】瞳に映して

第1章 オムライス


次の日の夜。

公務の後、ルイに連れてこられたのは
キッチンだった。

そしてそこにいたのはアラン。

「まぁ頼ってくれるのは嬉しいけど、
俺は食べたことないし、
どこまでその味が再現できてるか
わからないけど?」

「それは充分承知。
アランしか頼れる奴いなかったから。」

「とりあえず作ったから
食べてみて。」

「ありがとう!」

ルイと共にアランが作ってくれた
オムライスを口に運ぶ。

「ん!おいしい!!」

さっぱりとしたトマトのソースが
爽やかに口に広がる。

「ルイ、どうだ?」

「…うん。
おいしいけど、
昔食べたのとやっぱ違うかな…」

「どう違う?」

「…もっとトマトの味が
濃かった気がする…」

「なるほどな…」


その後アランは
いくつかソースを作ってくれた。

どれも美味しかったけど、
ルイはなかなか首を縦に振らない。

「なぁ、俺から提案なんだけど、
今度休みの日に城下に
トマトを探しに行かないか?」

「トマトを?」

「ああ。
可能性の1つなんだけど、
こういう野菜にも
流行り廃りがあるんだよ。

ルイがそのオムライスを
食べていた頃に
流行っていたトマトをソースに
使ったんじゃないかと思って。」

「…なるほど。」

「アヤセ、今度の休みはいつだ?」

「あさってかな。」

「わかった。
都合つけるから探しに行くぞ。
ルイも都合つくようなら来いよ。」

「ああ、わかった。」

「なんか二人ともありがとう…
私の個人的なことなのに…」

「まぁ俺たちも
好きじゃなきゃやんねぇよ。」

そう言ってアランはトンと
アヤセのおでこを押した。

「だろ?ルイ。」

ルイはふっと微笑んだ。

「まぁね。」

(公務でも何でもないのに
ありがたいな…)


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