ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「潤くん、もう一度聞くよ?
なんでお仕置きされてるんだっけ?」
吐き出せない熱に体中を灼かれおかしくなるって思ったところで智兄の指の動きが止まった。
「あっ…さと…に…」
イく寸前で寸止めされて息も絶え絶えの俺。
智兄がすごく優しい顔で俺を見る。
「潤くん、答えて?」
「俺が…かってに…くすりっ、
もって…きた…から」
「うん、そうだね?それもある…。
でもね、なによりも…
自分の身体が悲鳴をあげてるのに…
それを僕たちに言わずに…頼らずに…
勝手に薬だけで治そうとしたことだよ…」
「さと…にい…」
優しい顔なのに瞳が悲しそうで…そこで初めて自分のしたことが大事な兄を悲しませていたことに気がついた。
「潤が優秀な医者なのはわかってるよ?
でもね…どれだけ優秀な医者でも
自分の病気を自分で治すのは
無理なんだよ。
だってね、調子が悪いときは
冷静な判断は出来ない。
それなのに…
僕たちの誰にも言わなかった…。
僕はね、それに怒ってるんだよ」
智兄の言葉に涙がこぼれた。
「ごめっ…ごめっ、なさいっ
おれっ、おれっ」
こぼれ落ちる涙を智兄の唇が受け止めた…。