【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第147章 147話
呼吸が乱れて震えがおさまらない私の背中を、レオリオの大きな手が撫でた。
「ゆっくり呼吸しろ、大丈夫だ。」
落ち着かせる様な優しくて低い声色が、頭の中を上書きしていく
「はぁ…っ、はぁ… はぁ…」
レオリオのおかげで少しずつ呼吸が穏やかに戻り、ぎゅっと瞑っていた目を開くと
私の目の前には、いつの間にか立ち上がったゴンいて
「ごめんなさい…わたし今まで、こんな…こんなことなかったんだけど…。」
声を振るわせながらそう言うと、ゴンは「オレを見て」と私の手を取った。
恐る恐る手から腕を伝って見上げると、そこには変わらない瞳で私を見つめるゴンが居て…
軽蔑されるかもと恐れていた私の胸は、いとも簡単に救われていた。
堪らず、涙は更に溢れ落ちた。
…
「ったく…少しは落ち着いたか…?」
キルアが持ってきてくれたホットココアも温くなって、もう3口も残っていない。
鼻声の私が小さく「うん…」と答えると、彼は「じゃあ」と言って先ほどの話の続きを始めた。
「お前、さっき旅団の奴らがクラピカの家族を”殺した人達かもしれない”って言ったよな?」
4人の視線が硬直する私へと向けられる。
その反応から、私が意図的に使った言い回しであると判断したキルアは、少し真剣な声色で「かもしれないって…どういうことだよ。」とその説明を急かした。
「実は…、私の知っている物語の中では、幻影旅団がクルタ族を虐殺したという明確な描写は無いの…。」
「!」
視界の端で、クラピカが私の方を向いたのがわかり緊張が走る。
他の3人も、目を見開きただ黙っていて、私が続きを話すのを待っている様だ…。