【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第146章 146話
「その前に…、ゴン!キルア!!
2人とも、あれだけ危ないお金稼ぎはしないでって伝えたよね…?!
レオリオさんも!一体どうしてアジトに行ったのか説明してもらえる?!」
私が珍しく怒りを露わにして語気を強めると、名指しされた3名は額に汗を浮かべながら驚いた顔をした。
勿論場所を弁えて大声は出していないけれど、私はこれでも凄く怒っている。
いや…、正確には怒ろうとしている。
だってこのくらい感情を乗せないと分かってもらえないだろうから…
できる限り怒っていますと伝わるように、怖い顔もして見せた。
「なっ…!なんだよっ、無事に戻って来たんだらいいだろ!」
「キルアは足首と首の切り傷、ゴンは手の甲…
怖くて痛い思いをして、怪我をして帰って来たんでしょ…。それって無事とは言わないよ。」
「名前、ごめん。オレ達…」
ぐっと涙を飲んで、堪えるように目を伏せる
どうしようもなかったとは言え、もっと何かできたかもと思うと悔しくてすぐに涙腺が痛くなった。
2人とも、そんな私を見て黙り込んでしまう
なんとか涙を堪えて、向かい側に座っているゴンとキルアを睨みつけると
レオリオは静かな声で私の名前を呼び、背中を優しく叩きながら諭すように話し始めた。
「名前、任されたのに2人を守れなくて悪かった。
ただ…ゴンもキルアも、お前が旅団に捕まったんじゃないかって心配してだな…
オレもあんな別れ方した手前、居てもたってもいられなくなって条件競売に参加したんだ。
だから怒る気持ちもわかるけどよ…、今回ばかりは勘弁してくれねえか」
「え…」
レオリオから訳を聞き、驚いてゴンとキルアに視線を戻すと
2人は眉を下げて申し訳なさそうにしている。
そんなことを言われて、こんな顔をされてしまったら
反省させようとして意気込んでいた私の気持ちは、一体どこに持っていけばいいのか…
その間、場がシーンと静まると
クラピカはフッと笑いながら横目で私を見て言った。
「名前が逆の立場でも、同じ事をしたんじゃないか?」