• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第145章 145話




さて、私も一度帰って髪の毛だけでも洗い流そうかな

ゴンとキルアは、公園の水場で首から上を洗い流してそれで問題ないらしい…
流石男の子、楽でいいな

皆はこれからレオリオと待ち合わせているというホテルへ向かうそうだ。
私が戻ってくるまでの間、3人を待たせるのも申し訳ないので、先に待ち合わせ場所へ向かってもらうことにした。


となると、アレを渡しておかないと…


「ゴン、昨日はありがとう。」

「あ、指輪…!」

ゴンに預けていた対の指輪

昨晩、途方に暮れていた私を助けるために、ゴンが海へ投げ込んでくれたあの指輪だ。
そのおかげで、シェルターに転送しきれなかった人たちをなんとか危険地帯から遠ざけることができた。

「また…持っていてくれる?」

「うん、もちろん。戻ってきて良かった…
絶対に無くならないって分かってても、海に投げ込むのはちょっと抵抗あったよ」

ゴンは苦笑いを見せてそう言うと私から指輪を受け取り、首にかけていたチェーンに指輪を付け直す。

「本当はゴン達を巻き込みたくなかったんだけど、私あの時は本当に困り果てちゃってて…
どうしようもなくて、もうダメかもって思った時にね…ゴンとキルアの顔が頭に浮かんできたんだ。」

「そうだったんだ…」

私は申し訳ない気持ちで、言い訳をする様に心境を打ち明けたのだけれど
目の前のゴンは、何故か少し誇らしげに笑っていて…



「オレ、名前が頼ってくれてすごく嬉しかったよ。」



「……。」




真っすぐすぎる彼の瞳が私を貫く

一瞬、その言葉に嬉しくなってしまったけれど

私は直ぐに表情を曇らせてしまった。


…ゴンと同じ世界に生まれて、私が何も知らない人間だったなら
このゴンの言葉を素直に喜べたのにな…

絶対に迷惑をかけられないからこそ、ゴンに心労を負わせてしまう。



私に力があれば

一人でも運命に立ち向かえる強さがあれば…。



だけどそんな想いが強くなればなる程に、この考えは堂々巡りになる

私が上手く返事をできないでいると、ゴンは不意に顔を覗き込んできた。

/ 465ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp