【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第145章 145話
公園の水場にて、蛇口の下に頭を突っ込み大胆に髪を洗い流すキルア
先に洗い終えたゴンは「ふくものないや」と言いながら上着で顔を拭おうとするので、私は慌てて止めに入った。
「服で拭いちゃダメだよ!」
急に小言を言われ、キョトンとした顔でこちらを見る濡れた子犬のようなゴン
水滴の滴るその頬に手を添えると、私は能力を発動させた。
しゅわしゅわと水分が抜けるにつれて、へたれたゴンの髪の毛がいつもの角度に復活していく
前から思ってたけど、その髪の毛一体どうなってるんだろう…
怪訝な表情の私をよそに、ゴンは体から水滴が消えたのを見て、驚きながらも「すごい!」と手を叩いて喜んでくれた。
「まだ精度が低いから、完全に乾かすことはできないけど上着で拭くよりマシでしょ?」
そう言いながら自分の髪を触る
まだベタベタとした嫌な感触が残ってはいるけれど、これ以上は必要な物質まで取り除いてしまいそうで怖い
でもこの能力を極めれば、物質同士の癒着や成分の抽出なんかも出来るようになるかもしれないな…だなんて
皮算用をしているうちに、どうやらキルアも洗い終えたようだ。
ゴンに背中を押されながら私のところに来たので、彼にも同じように能力で水気を取ってあげた。