白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
よし、引っ越したばかりで
このチャンス到来は持ってる!はずだ!
岩ちゃんには空気読んで貰って
この機会に俺と姫凪ちゃんの
距離をグッと縮めるんだ!
さぁ、岩ちゃん!
空気を読んで二人切りに…
「は?こんな怪我
俺にどうしろってんだ?
舐めてりゃ治んだろ、こんなもん
手当するまでもねぇぞ」
空気読んで岩ちゃん!!!
せっかく和んだ空気が
『…ヤッパリ及川さん…
ウソついてたんですね』
…台無しだ。
「…傷を甘く見ちゃダメって事を
言いたかったんだよね
及川さんは…」
『だからって
ウソつかなくても…!
キノコ生えたなんて話
信じた私がバカだった…!』
"もう帰る"
今にも動きそうな
姫凪ちゃんの唇を止めたのは
「あ、悪ぃ。
仕事場から電話だ
傷は舐めときゃ治る
後はテキトーに
及川(ソコノ)に
介抱して貰えや」
ぶっきらぼうな岩ちゃんの声
「…え!?行くの?岩ちゃん!」
「邪魔すんなって顔してたくせに
飯作れねぇから
適当に食っとけ
あ、オンナがいりゃなんとかなるか
じゃあな」
…マジ空気読んで…。